プロテインについて誤解している人は非常に多いと思います。
プロテインのメリットや種類(ホエイとソイ)そして、飲むタイミングや量についてみていきましょう。
これで誤解が解けるはずです。
それではいきましょう!
プロテインとは
プロテインとはプロテインパウダーのことです。
牛乳や大豆からタンパク質を抽出して粉にしたものです。味も製法も多種多様あります。
プロテインでタンパク質を摂取するメリット
余計なモノを摂取しなくても良い
タンパク質を摂取しようとするとどうしても脂質などで余計なカロリーを摂取してしまいます。しかしプロテインはタンパク質を抽出したものなので、余計な糖質や脂質を摂取しなくてもいいんです。
胃腸への負担が少ない
タンパク質を大量に摂取すると魚や肉などどうしても胃腸に負担がかかるものになってしまいます。プロテインならば消化吸収に優れているので、胃腸の負担を少なくすることができます。
簡単に摂取できる
プロテインは調理がいりません。溶かして飲むだけ。簡単に持ち運びができるので、場所も選びません。
安い
プロテインは実はタンパク質1gあたりの単価にすると物凄く安いんです。
血中のアミノ酸レベルを早く高くできる
トレーニング後などすぐに栄養が吸収したい時に、肉や魚だと吸収されて血中に入るまで時間がかかってしまいます。プロテインなら、すぐに吸収され血中に入るため、すぐに栄養を筋肉まで送り届けることができるのです。チャンスタイムを逃すことなく、栄養が摂取できるのです。
プロテインの種類
プロテインの種類は色々ありますが、飲まれることが多いホエイとソイについて見ていきたいと思います。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインとは、牛乳を原料としたプロテインです。カゼインプロテインも牛乳を原料としています。カゼインの是非については、山本義徳氏の「タンパク質とアミノ酸 前編」に詳しく書いてあるので、知りたい方は一度目を通されることをお勧めします。
ヨーグルトをしばらく放置しておくと上澄みに透明の液が出てくると思いますが、あれがホエイです。捨てないほうが体にいいです。
ホエイプロテインの種類
WPC(Whey Protein Concentrate)
だいたい普通に売られているプロテインはこれです。平均で100gあたり70〜80gタンパク質が含まれています。乳糖不耐症の人はWPIを選んだほうが良いです。
WPI(Whey Protein Isolate)
ちょっと高級なホエイプロテインはこれです。100gあたり90g以上のタンパク質が入っています。
WPH(Whey Plotein Hydrolysate)
WPCを分解してペプチドにしたものです。WPIよりも少しタンパク質含有量は少ないです。吸収速度はWPHの方が早くなっています。消化吸収が早いため、浸透圧性の下痢を起こすことがあります。
ホエイプロテインのメリット
ホエイプロテインを飲むことによって得られるメリットについてみていきましょう。
筋肉を増やす
ホエイプロテインはBCAAが多く、またインスリンの反応を強く引き出すためアナボリック作用が強くなります。
引用:「タンパク質とアミノ酸 前編」山本義徳
大豆プロテイン、カゼインプロテインよりもアナボリック作用が強いです。
免疫を高める
ホエイプロテインは免疫力を高めてくれるアミノ酸「システイン」が豊富に入っています。これにより免疫力が高まります。
ダイエットに役立つ
EPOCを増やし、代謝が向上することによりダイエットの役に立ちます。
※EPOCとは、運動後に筋肉の合成などに使われ、消費カロリーが増えることを言います。
ソイプロテイン
ソイプロテインとはソイ(大豆)から作られるプロテインです。
大豆プロテインの種類
SPC(Soy Plotein Concentrate)
ソイプロテインの1番簡単な製法です。100gあたり、70g前後のタンパク質含有量となります。
SPI
一般的に売られている総プロテインはこれが多いです。100gあたり90g前後のタンパク質含有量となります。
大豆ペプチド(Soy Peptide)
ソイプロテインを分解してペプチドにしたものです。
ソイプロテインのメリット
アルギニンの多いプロテインが、大豆プロテイン(ソイプロテイン)です。
引用:「タンパク質とアミノ酸 前編」山本義徳
大豆プロテインはアルギニンが多く(ホエイプロテインには少ない)、大豆イソフラボンが女性ホルモンと似た働きをするために骨を強くする作用がある。
ソイプロテインのデメリット
メチオンニが少なく、プロテインスコアが低い
殆どの大豆プロテインはメチオニンを添加してプロテインスコアが100になるように高めています。
引用:「タンパク質とアミノ酸」山本義徳
問題なさそうですね。
大豆イソフラボンの問題
大豆イソフラボンが女性ホルモンと似た働きがあると前述しました。このため大豆イソフラボンの摂取による女性化作用が問題となります。
一日に大豆イソフラボン(アグリコン)としてトータル75mgまでなら問題なし。サプリメントとして食事に追加して摂取する場合は、一日に30mgまでなら大丈夫ということです。
引用:「タンパク質とアミノ酸」
SPCのソイプロテインに含まれるイソフラボンは100g中102mg、SPIの場合はもっと少なくなるようです。しかし、気になる方はホエイプロテインを飲んだほうがいいでしょう。
栄養素の取り込みを妨害するものが入っている
「ゴイトロゲン」はヨードの取り込み、「フィチン酸」は鉄の吸収を妨げます。しかし、日本人の場合はヨウ素を過剰摂取している場合が多いそうなのであまり問題なし。(甲状腺に異常がある人は別)鉄も肉や魚や卵を食べる人に関してはあまり気にしなくてよさそうです。
あと、「トリプシンインヒビター」というタンパク消化酵素を阻害する物質が含まれています。これも加熱すれば壊されるみたいなので、豆乳でソイプロテインをわらない限りは気にしなくて良いそうです。
プロテインを飲むタイミング
トレーニング直後
これは有名ですね。トレーニング直後は筋肉の合成が亢進していますので、飲んだほうがいいです。タイミングについてはこちらに詳しく。
トレーニング前
トレーニング開始時にはすでに血中アミノ酸レベルを高くしておくことが望ましい
引用:「タンパク質とアミノ酸 前編」山本義徳
これは実践している方は少ないのではないでしょうか。トレーニングが始まった瞬間からタンパク質の合成が亢進するそうなので、トレーニングの1時間前にホエイプロテインを摂取しておくといいそうです。
起床直後と就寝前
起床直後は、就寝中の絶食状態に寄り糖新生が進んでいます。筋肉の分解を防ぐためにも起床直後のプロテインの摂取が大切だそうです。
そして、就寝中の糖新生を少しでも抑えるために就寝中の摂取も大切です。
山本氏は良く就寝中でも一度起き出してプロテインを飲むように仰っています。私も枕元にプロテインを置いておいて、夜中にトイレに起きた時は飲むようにしています。
一回に飲むべきプロテインの量は
40g摂取することにより最大のタンパク合成がもたらされたという結果が出ています。
引用:「タンパク質とアミノ酸」山本義徳
これは筋肉量が多くても少なくても40gのプロテイン摂取がタンパク合成が強くなったそうです。
40g前後で調整してみてください。
まとめ
プロテインはメリットもデメリットもありましたね。
しかし、タンパク質の摂取量が足りない時のデメリットも忘れないようにしたいですね。
食事で足りない場合や、トレーニングをしている人、ダイエット中でカロリーを抑えたい人などは積極的にプロテインからタンパク質を摂取したほうがいい結果が得られるかもしれません。
今回参考にした書籍はこちら。
トレーニー、トレーナー、アスリートには必読の本です。